ケヴを迎えた日~1ヵ月

 ケブは家に連れて帰る車中、ずーっとお昼寝してて、大人しく過ごしてくれた。

 なのに、家に着くと、急にギャーギャーと鳴きだした。
リーのにおいと声で、ミーアキャットがいることがバレた様子。
それにつられて、リーが「ホーホー」とまるでフクロウみたいに鳴きだす。
初めて聞く鳴き方。

 とりあえず、用意していたソフトケージに入ってもらって休んでもらう。

 が……!

 瞬時に脱走!

 慌てて屋根を付ける。

 よじ登ってる……!

 予想外。
というのも、リーはこんなこと出来なかった(しなかった)ので。
もしかして、ミーアキャットの運動神経ってこれが普通???

 網を登って天井にぶら下がっては落ちるを繰り返すため、またまた慌てて頑丈なサークルをひっぱりだす。
(でも、このサークルでも天井にぶら下がって懸垂してた……)

 

 隅っこ。
警戒している様子。
でも、サークル周りをウロウロするフェレットには警戒しないという……。

 フェレットのKちゃんと会わせてみる。

 Kちゃんに服従姿勢を見せるケヴ。
Kちゃんも威嚇などせず興味津々で、お迎えの儀式(フェレットは新入りが来ると首根っこをくわえて引きずり回す)を粛々と執り行ってた。

 Kちゃんは自分の部屋にケヴをお招きしようとするが、出入り口にケヴを通せず、断念。

 ついには秘密基地(押入れの中)にケヴを連れて行こうとしてたw
結局、段ボールの山の上にケヴを引き上げることも持ち上げることもできなかったんだけど、なんとかしようとするKちゃんの奮闘ぶりと大人しくそれに従っているケヴの様子がとっても可愛かった。

 けど、Kちゃんとケヴが優しく接し合えたのはこの日だけ……。
その後、Kちゃんが病気になり、少し会わない期間を経て、威嚇し合う仲になってしまう。
残念。
 Aちゃん(ダックスフント)には初日から威嚇してたw

 肝心なリーとの初対面。

 ドキドキしながら接触させてみると、ケヴは姿勢を低くしてリーの口元に自分の口を寄せたり、おなかを見せたりして服従姿勢をとった。
服従の仕方が犬と同じなんだねぇ。
こんなに小さいのに、きちんとリーに挨拶しているのを見て、なんだか感動。
リーは自分の体をケヴに擦り付けてマーキング。
それを見て、この2匹は仲良くなりそうという直感を抱いた。

 しかし、直後にリーは「ギャッギャッギャッギャッ!」と声をあげながら、ケヴのお尻にかじりついた。
ケヴは無言でそれを受け入れているように見えた。
「ケヴの服従 → リーのマーキング → リーのおしりかじり虫」という一連の流れが度々繰り返される。
基本的には「自分たちで折り合いをつけてね」というスタンスだけど、大事になると大変なので、手でいつでも阻止できるようにして見守った。
一見、リーが派手に攻撃しているように思えたけど、ちゃんと手加減してたようで、ケヴに怪我はなかった。

 リーをケージに戻すと、ケヴは狂ったかのようにリーのいる小部屋の前で暴れまくった。
「寂しいなら飼い主と遊ぼ♪」
と連れて行こうとしても、すぐにゲートの前に舞い戻ってしまう。
リーにお尻を噛まれても、リーがいいんだ……。

 初日の夜、わたしが寝る前にケヴを確認すると……。

 体冷えるよ!!!
手前に毛布を置いておいたのに、フカフカよりも壁際の隅っこで身の安全を確保する姿に、何とも言えない気持ちになる。

 思い返すと、初日の対応を間違えた気がする。
ブリーダーさんのところで愛情をかけてもらって、兄弟と一緒に過ごしていたんだもの。
知らない場所に連れてこられ、サークルの隅っこで不安になっているコが選ぶのは、当然、仲間。
リーと触れさせるのが早すぎたかも。
もっと言うと、リーの存在を分かりにくくするために別室にすべきだったのかも……(とはいえ、うちのちっこいマンションだとそんなスペースはないんだけども)。

 これ、以前にフェレットで経験していた。
1匹目のPちゃん(♀)を家族にした1年後にMくん(♂)を迎えて多頭飼いをスタート。
Mくんは日本に来たばっかりのベビーで、ずーっとフェレットと一緒に過ごしてきた。
MくんがPちゃんだけを仲間と思うのは当然のこと。
Mくんがかなりの甘えん坊な性格だったのもあり、Pちゃんを親のように慕って、ずっとくっついて行動していた。
Mくんは飼い主のことは見えてないんじゃないかっていうぐらい、飼い主を空気扱い。
1年近く無視され続け、おやつで釣って呼び戻しのトレーニングをして、ようやく飼い主の存在を把握してくれたという……。

 ああ、この経験が生かせなかったぁぁぁ!

 多分、お尻カミカミの一連の流れはミーアキャット流(リー流?)のお迎えの儀式のようなものだったのではないかな~と思う。
次の日にはケヴは服従姿勢を取らず、リーもマーキングのみになっていたから。
リーはケヴを受け入れ、ケヴはリーを信頼した。
ケヴは2匹だけのコロニーを形成してしまった。

 それから、ケヴはリーにぴったりくっついて、飼い主が抱っこすると大暴れして逃亡。
ケヴ1匹にするとリーのいる部屋の前から離れず、鳴き叫んで大暴れ。
まぁ、それは気持ちが分かるとして、飼い主と視線が合うとダーッ! と逃げ去ってしまうのが、飼い主、一番悲しくて辛い。
 人を警戒しているのかと思いきや、ごはんを食べている最中、飼い主が体を触っても怒らない。
甘噛みもしなければ、本気噛みもしない。
噛むに値しない存在なのも空気扱いで辛い。
まだ威嚇されてる方がちょっとマシだったかも……とすら思うほど。

 リーがわたしの膝の上にくるとケヴも一緒に寛いでくれるので、ゆっくりと触れるのはこのときのみ。
指で首元をこちょこちょすると気持ちよさそうにしてくれるのになぁ……。
ケヴにとって、一体、飼い主はどういう存在なんだろう?

 謎行動は、人の足の親指を噛んで走り去ること。
積極的に飼い主に触れるのはこれだけw

 しばらくケヴとリーを別々に暮らさせればよかったのだけど、あんまりにも2匹が仲いいものだから離しておくのが可哀想になってしまい、3日でリーのケージで同居させてしまった。
飼い主、忍耐力なさすぎ。
せめて飼い主の存在に慣れてもらおうとリビングにケージを置いてみたものの、リーの便臭(めっちゃ臭い)に耐え切れずに元の場所へ。
飼い主、忍耐なさすぎ。

 そんなで、ケヴとリーがじゃれ合う姿を見て楽しむミーアキャット多頭飼い生活。
ケヴはおもちゃにも興味を持たず、ひたすらリーと遊んでいた。
飼い主に懐いてくれなくても、ケヴがリーと一緒に過ごして楽しそうなので、それはそれで飼い主も幸せな気分になった。

 ケヴがうちに来て3週間ほど経った頃から、ケヴは少しずつリーから離れて、ひとりで遊ぶようになった。
ちょっと成長して、環境に慣れてきたらしい。
ひとりで飼い主の近くに寄って来ることも増えてきた。
わたしの膝の上で寛いでくれているときは甘噛みをしてくれるようにもなった。
でも、歯を立ててくるので、何気に痛い。

 何かあったときに飼い主に慣れていないと問題になることもあるので、甘えてくれなくてもいいから普通に抱っこさせてもらえるようにするのが目標!
今、ケージに戻すために捕まえるのも大変で。
食べ物絡みで飼い主に威嚇してこないのをこれ幸いと、「食べ物を手から与えて仲良くなろう作戦」を地味に続けている。
 あと、リーに、
「ケヴに飼い主と仲良くするように言ってよ」
と、お願いする日々。

うちのコ
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